税務調査が来た場合、何を指摘されるのですか?
また、罰金も取られるのですか?
税務調査でよく追徴されるケース
税務調査の指摘は非常に多岐にわたりますし、ケースバイケースなので「ここが指摘される」というのを列挙することはできません。ですが、よく追徴されるケースには共通する原因があります。
一番多い原因は、奥さんや子供が故人の財産を把握できていないことだと思います。
たとえば、知らない間に故人が国債や株式に投資をしていたり、家族のために家族名義で貯金をしていたなどです。逆に言うとこれが法人税や所得税の税務調査と違い、納税者が税務調査を怖く感じる原因でもあります。
法人税や所得税の税務調査は、調査を受けるのが経営者当人ですから、過去に自分が行った行為について調査されます。相続税の場合は、自分が過去に行った行為ではなく、故人の行為を質問されますのでどうしても虚を突かれる質問などが出てきます。
追徴税額の種類
税務調査で追徴税額が出た場合は、本来納めるべき相続税額に加えて、「過少申告加算税」と「延滞税」が加算されて課税されます。
過少申告加算税は、本来の税額の15%、延滞税は年率約9%で計算されます。もし意図的に財産を隠していたと認定されますと、「重加算税」と「延滞税」が加算されます。重加算税は本来の税額の35%で計算されます。「過少申告加算税」が課されるか、「重加算税」が課されるかは、相続人が意図的に税を逃れたかどうかという、極めて曖昧な判断基準に基づきます。そのため、税務調査のときの言動には十分注意を払ってください。
追徴税額は、相続人全員に課税されるものです。税務調査が相続から1~2年後に行われることを考えると、相続人が住宅ローンを返済や学費などに使っているようなこともあり、税務調査の追徴税金が払えないということもあります。実際の税務調査の現場では、追徴税額を誰が払うのかということで、ご家族の中で争いになることも残念ながらよくあります。